『若きキュレーター曰く』

先日、あるギャラリーの若きキュレーターと話をする機会があった。キュレーターとは業界の専門知識のもと、アーティストの展覧会などを企画する人で、要は表現者の力を最大限に引き出し、世の中に提示するお手伝いをするお仕事である。
ちょっと口下手そうに見える彼は、初対面の自由奔放な私と、どんな会話をしたら良いか、気を遣い、迷っている感じだったので、唐突に私は彼に質問をした。『キュレーターの仕事をする上で一番何を大事にしているの?』この質問をした瞬間、彼の表情から迷いが消え、自信満々に、そして、生き生きと彼は答えた。『話を聞く事です。アーティストさんにしても皆さんにしても、いつも話をよく聞いて、どう考えているのかを出来るだけ聞くようにしています。自分の考えはその後です。』若いのに、良い事を言う。彼の目からは容易にその思いの強さが受け取れ、本当に感心してしまった。。

昔、音楽のレコーディングエンジニアと良く仕事をしていた時、そのエンジニアが、マイクの向きより、プレイヤーが弾きやすい現場作りの方が、よっぽど重要だと言っていた。気持ち良く、楽しく弾いた音は、多少マイク位置がずれていても、やはり表現する音色として美しく聞こえ。マイク位置にピッタリ合わさせても、現場が、ギスギスした重々しい環境では例え綺麗に弾けても、音は生きてこないと。。。

どんな職業にしても、相手の話を良く聞くことは本当に重要だと思う。私は自分の意見を押し付けがちな、、、我が儘人間だから、余計、、、常に意識していかなければいけない。

相手を生かせる環境で、自分も楽しくプレーする!そんな仕事をしていきたいと思う。

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