column0060『鮭と酒』

『鮭と酒』

鮭には、高い母川回帰性がある。10月～12月に川で産卵し、2ヶ月かけて孵化し、その後3月～4月に群で、川を下り、海へ向かう、そして遥か遠い水温の低い海で、数年を過ごし、成熟した個体は、自分の、正に、産まれた川に戻ってきて、産卵をするのである。よく考えてみると、すごい話である。3ヶ月程度育っただけの、生まれ故郷をしっかりと覚えているのである。
テレビの特集などで、遠い出先で、迷子になった犬が、長距離を家まで帰ってきたストーリーを見る事があるが、、鮭は、普通に、、それと同様の『離れ業』を、やってのけてしまうのだ、、、

しかし、我々・人間も負けてはいない。多くの酒飲みの皆様には、必ず経験があると思うのだが、飲みすぎて、、もう何も考えられない、、酩酊状態なのに、、、気付けば、翌朝、、二日酔いにうなされ、普通に、ベッドで目を覚ますのである。どうやって帰って来たのだろう？しかも、シャワーも浴びて、歯も磨いている、、何の記憶も無い。。たまに玄関で転がっていたり、トイレで転がっていたり、、海外の友達の家のオートロックが開けれず（番号は知っているが、上手く押せない！電話する事すら思いつかない！それが酩酊！）、マンションの入り口に、転がってたりするが、、、
兎に角、我々・人間（酒飲み種族）には、鮭に勝るとも劣らない、、高い母家回帰性がある事に違いない。

正に本能だ！本能に従えば、、、自然と、、家に帰れるのだ、、、

ん？待て待て、、、若い頃、、近所のゴミ捨て場に転がってたヤツも、、他人の家の玄関先で寝てたヤツもいたな、、そうか、、、帰れないヤツもいるのか、、、となると、、おかしいなぁ、、、

深く考えるのはヤメよう。
そもそも、、昨夜、酔っ払いながら、、話していた、楽しい与太話なのだから、、

そう。。皆様、お酒は控えめに、、しっかり、家に帰ろうね！