『押してダメなら引いてみな!』
誰にでも、上手くいかない時はあるものだ。
どうにか結果を出そうと、色々と試行錯誤してみても、どうにも上手く進まない。
良くこの段階で、悩んでしまい、道を引き返したり、新たな方向を目指したりするのだが、それは何も悪いことではなく、ある意味、正しい選択でもある。しかし、時に、その努力が、ちょっとした発想や着眼点の転換により、実る事があるのも事実なのだ。
私もそうだが、考え抜いた上で、物事に真剣に取り組むと、総じて『灯台下暗し』になる時が多い。自分の思い通りに物事をコントロールする事と、目指す結果を出す方法論を探す事は違うのだが、どうにも想定外の問題に複数回ぶつかると、我々は、何故、自分の想像通りにならないか?!という回路に迷い込み本来の問題を見失いスタックしてしまう事が多いのだ。まぁ、苦しんで悩めば良い事なのだが、、
ちょっとリラックスして、別の事を暫くやってみて、頭をリフレッシュさせてから、再度取り組んでみる、、とか、世の中的には言うが、、それで解決するなら、実に簡単で、素晴らしい訳で、、解決しないから、こういう話になるのだ、、まぁ、だが、、ちょっと残酷だが、発想・着眼点の転換の為に、厳しい意見を言ってみよう!
『なぁ、悩んでるあんた、、大体、この世の中、アンタの思い通りになる事の方が、少ないのが、現実なんじゃねーのか?!』
くだらない例え話になるが、、昔、私は一時期、インディアンジュエリーの彫金にハマっていて、シルバーの指輪だの首輪だの、ナンだの、自分で色々作っていた。ある時、バングル(腕輪)を作る為に、銀板を曲げた状態で、鑞付け(溶接)していたのだが、複数の石留め部分の鑞付け面積が大きく、どれだけバーナーで火を入れても上手く銀鑞が流れない(銀鑞が赤く綺麗に流れると鑞付け成功)事態に陥った、、今までいくつものアイテムを作ってきたのだが、それらは火を入れる面積が小さかった為、問題なく、このやり方で鑞付け出来ていたのだが、結果として、それらの成功体験が『灯台下暗し』を作り上げたのだった。何時間も、頑なに、、同じ方法で鑞付けしたい部分に何度も火を入れるのだが、、局部的にしか銀鑞は流れない、、悩みながら、数日経ち、火力を上げる為にバーナーを二つにするしかないのか!?なんて思いだしたところで、試しにその道のプロに聞くと『あ~、、それねぇ~あ~、、あるある、簡単だよ~そういう時は、裏から火を入れるんだよ~素人だねぇ~しょうちゃ~ん、、まぁ、やらなきゃ、わからないよねぇ~』言われた通りに、鑞付け面でない、裏から火を入れたら、いとも簡単に、銀鑞が流れ出し、ものの10秒程度で鑞付け出来てしまった。つまり、色々な方向から、バーナーで火を入れたが、裏から火を入れるという実に簡単な発想が、私には、どうにも浮かばなかったのである。
自身の過去を振り返ると、多くの悩ましかった問題共は、これと同様に、非常に簡単な発想や着眼点の転換によって解決される事が多かったのだ、、そして、それらは、共通して、自分一人で、悩みながら、真面目に取り組み、ここまで考え抜いたのは自分であり、もはや、自分の力で解決したい!という自意識過剰な自己陶酔が原因だった様にも思えるのだ。。
『何で、大塚さんは、押す事しかできないの?いっつも、押してさ、押しまくって、、それじゃあ、上手くいかないよ。あのさー、知ってる?押してダメなら引いてみな!って言うでしょ。。』当時、上司に言われた言葉だ。
そう。『押すだけ』でなく、『引ける』様になる事。自分を成長させる為には、自分を否定出来る事も大切だ!そして、思考を一方向に偏らせる様な事はしてはイケナイ!『引ける』様になれば、心に余裕が出来るので、時に周りの有識者に助言を求め、素直に他人のアイディアを受け入れてみる事も、解決への近道かもしれない。
『押してダメなら引いてみな!』
最近では、、良く私が、ヌケヌケとアドバイスに使う、素晴らしく便利な言葉だ。。
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