『 〜ベトナム旅〜 Cuc Phuong National Park パート2』
前回: https://11documents.com/2018/06/27/column0099/
第二ラウンドを終え、シャワーを浴び、水をがぶ飲みし、クーラーの中、PCで撮った写真を見ながら、ちょっと休憩。。薄々気付いていたが、この国立公園の入り口から、今回もマレーシアに引き続き、私のイモトのWifiは、ほぼナニも機能していない、、2G回線って、どんな通信速度なのか、、まぁ、やる事も、話し相手もいないので、テレビの英語番組をかけながら、日本から持ってきたお菓子をポリポリ食べる。。すぐ近くに公園のレストランがあるらしいのだが、余りの疲れに、、完全に食欲を失っていた。。
というわけで、夜9時、何だか押され気味だが、戦闘再開だ!!
考えるに、、さっき、踏んでしまったカブトムシは、、木の樹液に集まって来たのではなく、光に集まって来て落下してしまい、日中、その場に留まっていたから、、あの場に居たのではないだろうか、、つまり、、この部屋の外に存在する街灯には、夜になると必ず、虫達が集まるはずなのだ、、このまま、ビビり続けて、1日目を終わらせるわけにはいかない!
『第三ラウンド開始だ!!』
『あっ、懐中電灯ないなぁ。。』カメラはストロボで、何とか撮れるけど、、フォーカス用の光も、ないなぁ。まぁ、どちらも、アイフォンの灯りで何とかするか!?そもそも、私は普段、夜間撮影は、ほぼしないので、何の用意もしてこなかったのだ。。『そうだ!だからどうした!?』『そんなのかんけぇねぇ〜♫そんなのかんけぇねぇ〜♬』『勢いこそ全てだ!ゴングを鳴らせ!!』
部屋を出て、外の街灯の光が強い所を、フラフラと探しに行く。内心、ちょっとビクビクしているが、きっと、こんな私を目撃してしまった人の方が、余程、怪しみと驚きを覚えるはずなので、なるべく堂々と歩くように心掛ける。。
先ほど、水を買った売店(部屋)の前の、灯りには、昼間その裏手で見た、デカいカエル達や、カマキリ、凄い数のヤモリが集まっていた、光に集まる蛾や蝶、小さな昆虫達を捕食する為だろう。。そして、こちらの昆虫は人の気配に、妙に敏感で、すぐ飛び、逃げてしまう。。カマキリなど、撮ろうと思い近づくと、瞬時に飛び去り、しかも、1分近く光の周りを、飛び回っているのには、驚いた。。日本だとカマキリは飛んでも数mの印象なのだが、、見た目も、ほぼ同じなのに、、一体、何が違うのだろうか、、
まるで虫のように、真っ暗の外を、強い光を探し求め、徘徊してみて気付いたのだが、、私以外の人間の気配がほどんど無いのだ。。思い返せば、昼間も誰にも会わなかったし、ほとんど部屋の窓が開いたままだったし、暗くなった夜も、ロッジの部屋で、灯りがついている部屋は、ほとんど無いのだ。。『ん?ここは、人気の宿泊施設ではないのか?えっ、、全部、空室なのか、、まさか、、客は俺だけか!?』灯りがついているのは、昼も、ここのスタッフ達が居た部屋ばかりな気がしてきた。。『いやいや、、みんな、いるでしょ?どっか飲み行ってるのだろう?ん、、いや、飲み屋なんてあるわけないし、、この時間、行く場所も、ねーしなぁ、、』そんなこんな、悩みながら光を探す。
↑唯一のひらけた場所にある、高さのある街灯を見上げると、寄ってくる昆虫を捕食する為に、コウモリが数羽、猛烈なスピードで飛び回っている。目の前で、蛾やら、ヤブキリが空中で捕食されていく光景は、ナカナカの迫力だ。ここでは、無事、地面に落下出来る方が、生き延びるという点では、成功で、珍しい事なのかもしれない、、などと考えながら、アイフォンで地面を照らす。。空中でコウモリに襲われ、足を失ったカブトムシや、カミキリ。もはや、飛ぶことを躊躇しているのか、地面に留まる蛾。。そして見た事ないナカナカ恐ろしいデザインの昆虫もいたりする。。この時間になると、最早、顔の周りを飛び回るハエがいないのと、気温も幾分下がったからか、何だか急に余裕が生まれる。。地面にしゃがみ込んでアイフォンで昆虫を照らし、カメラのフォーカスを合わせる。。慣れない撮り方だが、ちょっと雑で妙に面白い、、きっと、もし、誰かが見ていたならば、、それは、ナカナカ奇妙な光景であった事だろう。。見た事のない、初めての恐ろしいデザインの虫を撮影して、興奮気味に、『第三ラウンド』終了!
何だか、急に、前向きになってきた気がする!しかし、時刻は既に午後11時を過ぎている。。今日は早朝、Cuc Phuong National Parkに出発する前にも、ハノイの公園で撮影をしたので、計四ラウンド、色々ありながらも、何とか、こなした事になる。。昔から何でも追い込み過ぎてしまうのが、私の悪い癖だが、、短期間で最高効率を目指す主義なので、、こういう短期海外遠征には向いているのかもしれない。。本日、4回目のシャワーを終え、PCで写真をチェックしながら、休もうと思うのだが、、どうにも、慣れない空気感に、脳が興奮しているのか、、床のように硬いベッドで休む気にならないか、、それとも、昼間に炎天下、長時間歩いたお陰で、兎に角、やたら、喉が乾き続けるからか、、眠れない、、
ネット環境は前述の通り最悪な状態なので、テレビが唯一の救いになる。。つけっ放しの映画をボケーっと眺めながら、、『猿の惑星』のボス猿・シーザーが私より遥かに英語を理解し、話せる事にショックを受けながら、、気がつけば、深夜2時。。明日の事も考え、強制的に眠りにつくのだが、小一時間ごとに喉が乾いて起きるを繰り返し、翌朝6時には完全に起きてしまうのだった。。時差は2時間なので、確かに日本でも起きている時間なのだ、、という訳で、起きちゃったならしょうがない、、
2日目!『第一ラウンド』開始だ!!
朝6時という事で、昨夜、見回った街灯の下を再度確認に行く。。まだ気温もそれほど高くないので、若干快適なスタートだ。カブトムシやら、昨夜、初めて見た恐ろしいデザインの虫やらを再度見つけ、順調に撮影していく。。そしてびっくりしたのは、公園内のスタッフが、この時間から、草刈りを始めているのは、ともかく、小学生の団体がバスで、この時間から国立公園に到着しだすのだ、、『えっ、、おみゃーら、、何時に家出て来たの?めっちゃ、朝からテンション高けーし、、何歳よ?!』変な外国人が、座り込んで何かを撮影しているのは、どの国でも同じで、好奇心豊かな、子供達の格好の的になる。。彼らを避けるように、ソソクサと移動しながら、、落ちて行き場の失くなった被写体達を探すのだった。。灯の下という事は、建物の近くであり、非常に撮影に容易な環境なのだ、、昨夜に引き続き、容易な環境から、着実に、自分のペースをとりもどしていく事が重要で、、まぁ、楽しみながら撮れなければ、いけないのだ!7時半には部屋に戻り、既に、汗でビショビショな為、シャワーを浴び、、水とお菓子を食べながら、充電やら、データの移動やら次の撮影に備える。
9時には部屋の清掃のおばちゃんが来たので『第二ラウンド』開始!
昨日、ファーストインパクトを与えられた、部屋の周辺にリベンジだ!!最早、カエルのいる場所も大体、把握しているし、上下前後左右に気を配れる様になり、ポイントを深掘りしていく、、『ガサ!ガサッ!』とトカゲが走っても、何も思わなくなり、、昨日は気づかなかった、色々な不思議な昆虫達を見つける。。そして、兎に角、ナナフシが多い事に気づく。何故、昨日は気づかなかったのか!?色々な種類の巨大なナナフシが、やたらめったら、そこいらじゅうにいるのだ。。東京では、今まで、何度もナナフシを美しく撮りたいとチャレンジしてきたのだが、残念ながら小さいし、細長過ぎて、何とも自分の目指すような美しさで撮れたことがなかった。。という事で、、暫く『ナナフシ三昧フルコース』を楽しんだり、、昨日、行かなかった方向の道を、探索したり昨日とは、打って変わり、余裕があるのだ。。国立公園内には野生動物の保護を訴えるサル園とカメ園があり、折角来たのだから、チラリとカメ園を見てみたのだが、やはり何の興味も湧かず、一枚も写真を撮ることはなかった。。そんなこんなで、もう11時半だ。。午後の戦いに備え、再度部屋に戻り、休憩をとる。バッテリーの充電や、レンズの交換、そして、体調を考える上でも、2~3時間をワンラウンドにする事が、身体に負荷が少なそうで、効率的に思えるのだった。。
午後1時!『第三ラウンド!!』は、昨日向かった奥地への道。
昨日の反省より、より距離の出せる300mm望遠レンズをつけて、どうせ、ハエ達に囲まれるのだし、もう、暑過ぎるという事で、タンクトップに短パンで出発。。そもそも、今回も、出発の当日に、この旅の用意をしたのだが、ネットで、ハノイ近郊の天気を調べると、滞在期間中は、ずっと雨と表示されていたので、、着替えをそれほど持ってこなかったのだ。。どうなっているのか!?ずっと晴天じゃないか!!お陰で先ほど、部屋でTシャツを洗ったし、、裸の大将ルックになっちまったゼ!
昨日も、軽く撮ってはいたのだが、以前、マレーシアで1匹だけ見つけた、トンボのような飛び方をする蝶、『シロスソビキアゲハ』を見つけ興奮。。こちらでは普通種で、いくらでもいるみたいだが、『そんなのカンケーねぇー♬』兎に角、リベンジで美しく撮りたいのだ!!それに、先日、東京で見つけたブルービーも見つけたり、、最早、小さなハエ達との攻防などは当たり前になっていく、、タンクトップにした事で、腕を伝う自分の汗の感触を、虫と間違えたり、、汗と思ったら、虫だったり、、最早、コントのようだ。。幾つかの森へも侵入を試みるが、30mも進むと、足元がグチョグチョになるのと、不安を覚えだすので引き返すを繰り返す。そもそも一人だし、正直、、そう、、『怖い』のだ。。
観光的なポイントでは、全くない獣道なので、、この森で遭難した場合、助けが来る確率は限りなく低い。。そして、多くの水場があるのだが、どう見ても人間ではない野生動物の足跡があるのだ、、ズブリと、のめり込む15cmの足跡という事は、30kg以上の野生動物なのではと、予測できるし、、上を見上げると、葉の陰に、デカいムカデが隠れていたりする、、そして、何より、風で擦れる木々の音が、時折、何故か恐怖のメロディーに聞こえて来るのだった。。まぁ、怖くなったら戻れば良いという事で、ポジティブに探索を続けるのだが、昨日見た、巨大なカメムシは、あれ以降、あのサイズに出会う事はなかった。。
第三ラウンドは、昨日同様、一番、炎天下に距離を歩く、厳しいラウンドなので、、身体が水を欲し出したら、引き返し始める。それでも、戻るまで、そこから1時間以上は掛かるのだから、部屋に着いた頃には、、私は、また冷たい水を求めるモンスター状態だ。。
部屋の冷蔵庫は動くようになったが、もう水は無いので、また売店へ向かう。今日は昨日の天使ではなく、オバハンがいた。デカい水のペットボトルを2本買ったのだが、オバハン、、お釣りがないと言う。『おうおう、、気にするな、、ビール2本とコーラを買えば、ピッタシなんだろ!』小慣れた自分に、感心しながら部屋に戻るのだった。。またもガブガブ、カバのように、冷たい水を飲む!最高だ!!
昆虫写真家の多くが、撮りたいと思う虫に『ハンミョウ』という虫がいる、メタリックな青緑、赤が混ざり、、しかも、凄く動きが早く撮りづらい。。まぁ、そいつには幾つかの種類がいるのだが、、その小型種が、ベッドの上を歩いている、、メタリック感もなく、チビなので、、ただ、ウザいというのが事実だが、記憶のために適当に撮ってみる。そう、こういう部屋に滞在しているのだ、、
↑よく見ると、良いじゃない、、ちゃんと撮れば良かった、、
本日3度目のシャワーを浴び、部屋の外でタバコを吸って休憩していると、2つ隣の部屋から、白人のオバさん達が出てきた。どうやら3名のようで、、先ほど、ご到着したようだ。。そう、ここで確定したのだが、、昨日の宿泊客は、やはり、私だけだったのだ!灯りが着いていた部屋は、全て、朝のラウンドで確認したが、ここのスタッフの使っている部屋だった。。予約の際も、チェックインの際も、、満室を心配していたのは、、何だったのか、、冷静に考えたら、ここには何もない、、トレッキング以外、何もする事がない国立公園なのだ、、私のような目的がない限り、、ここが人気の理由など、普通に考えれば、、見つからないのだ。
夕方になり、『第四ラウンド』は、150mm望遠レンズに変えて、午前中のおさらいへと、近場を回る。小一時間で終了。何だか、最早、色々と、ルーチン化してきた。
そういえば、ベトナムに来てから、随分経つが、昨日の朝食、つまり一食しか食べていないので、、お菓子ではなく、二食目を摂るべく、レストランへ行ってみる事にした。窓も、ドアも開けっ放しの、パリでいうカフェ形式、、って、、英語のメニューもなければ、、エアコンもない、、そして、蚊が大量にいるのだ、、フォーと春巻きを注文し、ビールを飲むのだが、、暑いし、蚊がブンブン、、これは間違いなく天国では無く、、地獄だ。。
春巻きは苦手なパクチーが満載だった。。食事も、また勝負事なので、意地で全てを平らげたが、その後、数時間、口の中がパクチー臭に襲われていた。パクチーの香りを、カメムシ臭と同じに感じている、私には、こちらの巨大なカメムシの発する臭いはこの位、強烈なのだろうから、仕方が無い!と、変な納得をしたのだった。。
↑巨大カメムシ春巻
そして、このレストランでも、紙幣に対する『お釣り』がないらしく、笑顔でペットボトルの水に自動変換された、、そうか、そうだったのか、、これはもう、きっと、こちらではポピュラーな商法で、、昨日の、あの天使のような女の子も、、この『お釣り商法』のプロだったのか、、何だか、もう、感心してしまった。。
夜10時。『第五ラウンド』は、またも、夜の街灯周り。可も無く、不可も無く、普通に終了。もう、何かに驚くことも無く、ココでのモノゴトに順応してきたようだ、しかし、この時間帯にきて、第三ラウンドのタンクトップは間違いだった事に気付く、、日焼けで、身体が真っ赤になり、熱を帯びているのだ、、まぁ、でも流石に疲れてきているので、、ジョニーデップのつまらない映画を見ながら、『お釣り商法』が何か良いビジネスにならないか!?などと考えつつ、、眠りに落ちたのだった。
3日目も、朝6時に目覚まし無しで、起床!日焼けで、皮膚が熱くて、クーラーの中、布団を掛けなかったからか、何だか頭が痛い。。しかし、『トキハカネナリ!』という事で、ロキソニンを飲んで、『第一ラウンド』へ出発!!1時間後には頭痛を忘れ、、『第二ラウンド』、『第三ラウンド』と、虫撮りを楽しんだのだった。。2つ隣の部屋のおばさん達は、早々に帰ったようで、、また、私一人のようだ。。夕方5時になり帰りの支度をしていると、突然、ゴォーっという物凄い音が、、外を見ると、ナカナカの凄まじいスコールで、最後の最後に、滝のような雨が降り出したのだった、、もし、このスコールの中、Tシャツでカメラを持って撮影に出ていたならば、一発でカメラを壊していただろう、、そう、次回は、カメラ用のレインカバーだけは買って行こうと思いながら、、刻々と迫り来るCuc Phuong National Parkとの別れに、寂しさを覚えていた。
いつもそうだ。順応しだした頃には帰国。。まぁ、また来れば良い!
そう、今回はこの国立公園の、20分の1も、探索出来ていないのだから、、
↑全く距離感の解らない全体地図、、そしてこれしか地図が無い。
今回の旅での最大の気づきは、、
地球上で、最も美味しいモノは、『冷たい水』なのかもしれない、、というコトだった。。
誰か!!次は、一緒に行こうぜ!!
凄い!面白かったです!
一応突っ込ませ頂きたいのですがハード過ぎて中々一緒に行ける人はいないのではないでしょうか。。
森にタンクトップで突っ込む方も初めて聞きました、、
コメント有難う御座います。。いやぁ、現地の人は、ビーサンで草むら入って草刈りしてるし、、兎に角、暑くてすぐビショビショになっちゃうから、、もう良いのでは?!と、、ちなみに書きませんでしたが、最終日はパンツが足りなかったので、ノーパンで短パンにしたら、、想像を超えた快適でした!!