column0111『マレーシア旅 Part8』

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最近、急に進みだしたマレーシア旅Part8。ついに最終日突入!

本日が私の最終日になり、本来ならば午後便のフライトに向けゆっくりと空港に向かうはずだったのだが、どうにも昨日の『フレイザーズヒル』消化不良で納得がいかなかったので、急遽スレンバンから車で40分程度の『ウールーバンドゥ』という自然国立公園に行く事にしたのだ。

ウールーバンドゥ』は今回の旅のきっかけを作ってくれたマレーシアの昆虫写真家J氏のホームグラウンドで、昨日、、『フレイザーズヒル』『ウールーバンドゥ』か、、実はどちらに行くべきか?迷っていた場所なのだ。。という訳で、悔いなくこの旅を〆る為には、無理をしてでも行かなければいけないという決断をしたのである。。空港までは混んでいても1時間半程度正午12時にレンタカーの返却の為、『ウールーバンドゥ』午前10時には出なければいけない。

つまり、6時起床!
ササッと朝食を食べて、本日で別れとなるB氏最終決戦へ出陣だ!
生憎、スコールではない、朝から小雨が降っているが、、止むだろう!そう信じている!

『ウールーバンドゥには、蛇を展示している所があるんだけど、そこだけ夜間もライトが着いているから、朝一はそこに撮影に行くと虫達が凄くいるんだよ。でも今、蛇の展示場は改装しててね、クローズしているから、、イマイチなんだよね。。』
J氏が、昨日ボソボソ言っていた会話の断片を手掛かりに、何も考えずに、兎に角、突っ込むしかない!そもそも朝8時前に公園は開いているのだろうか?いやいや、、気にするな!!行けばわかるさ!!

公園に着き、車の入り口のゲートで『蛇の展示場はどこか?』と訊ねると、公園の従業員らしき人達は、親切に『今は閉まっていますよ。』と、、いやいや、、場所よ、場所、、閉まっているのは知っているのよ、、『場所が知りたいんだけど、、』『うん、今、閉まっていますよ。』『閉まっているのは知ってるのだけど、場所を知りたいんだけど、、』『そう、閉まっている!』マレーシア人と私の不思議なやり取りにB氏が隣でクスクス笑う。うむ、、直進だ。。もう、直進するしかないさ。。まだマレーシア語で何か言っているが、こちらは時間が無いので、、無視して直進!!
公園内を暫く走ると蛇園の看板が、、とりあえず、ここら辺で撮影を開始してみる事に、、

唯一のヒント蛇園を見つけその近くを探索開始、、しかしモノノ5分で、蛇園係員が来て『ここは工事中だから、これ以上入るな。』と、、『ここら辺で写真撮ってるだけだけだから、良いよね?』彼は、決して良いとは言わないが、英語が得意ではないみたいなので、笑顔で色々話しかけ続け『勝手に仲良くなる作戦』決行!頼まれてもいないのに、撮った写真を見せて、仲良さそうに話しながら、ドサクサ侵入!!まぁ、私がそんな苦労をしている間にB氏無言で蛇園の奥にシレっと一人入って行ってしまっていたのだが、、

ソンナコンナ蛇園の中を、無事見れたのだが、やはり改装中で夜間の照明がない為か、朝一でも、別に虫が多くいる訳では無い。。そうか、、ココもやはり難しいか、、なんて思っていた矢先、、えっ、、何だ?これ?!えっ、、でけー!?デカすぎる、、40cmはある巨大なヤスデが、、目の前に現れた。。まるで蛇だ、、余りに大きく、、面白いので持ち上げて顔を正面から撮ってみたいと思い、何度か、トライするのだが、ナカナカの力と動きで抵抗され、、手こずる、、色々考えて、、諦める、、

(だってさ、、ほら、、ヤスデの顔って、、何だか解らないでしょ、、だからヤメタのさ、、一応、撮れてるけどね、、)
そしてソヤツを離して気づく、、おっ?!ソヤツを持っていた左手の親指と人差し指が、、紫色じゃねーか、、そしてちょっと皮膚がピリピリする、、まぁ、面倒なので、、水溜まりの水で指を洗い、、忘れる事にした。。

(日本に帰ってきて5日後も、この状態。。毒なんだって、、毒。。マレーオオヤスデ。。)
ナンヤカンヤ、、文句を言っているが、実は昨日も今日のココも、、色々撮れている。。きっと出会いの数が想像以下だと、文句が生まれてくるのだろうが、やはりマレーシアは凄いのだ。。

公園内を移動しながら撮影していると、アッと言う間に午前10時、、この旅を共にしたB氏との別れとなり、空港に向かう時間だ。B氏はもう一日滞在するので、後ほどJ氏がこの自然国立公園にピックアップに来てくれる事になっており、車から荷物を降ろし、別れを告げ再会を誓う。流石に5日間を共にし、少し寂しいセンチメンタルな気持ちになったが、、空港に向け出発!あれ?!何だか一人って、急に楽だなぁ、、と、帰りの旅路についたのである。。

ナビの指示に従い順調に高速を走る、あと10分という表示で高速を降りるが、、何だか、、おかしい、、道も細いし、何処にも空港の表示が出てこないのである、、ん?何故だ??

『ショウヘイ、色々本当にありがとうね!クアラルンプール空港のナビ入れといたよ!45分位みたいね!気をつけて帰ってね!』

B氏クアラルンプール空港のナビを設定してくれたのだが、、いやいや、、空港だから、間違えるはずはないし、、ナビが、アホで、、細い道から案内しちゃってるだけでしょう、、そうだよねぇ、、
あれ?ココを右折?あと3分?!何言ってんの?!えっ、、まさか、、もう車一台がギリギリの農道じゃないか、、えっ、、あと1分?!こりゃ、完全に、、問題発生だ。。

ナビ曰く、、到着。。
取り敢えず、記念撮影だな、、時刻は11時10分。自分の現在地、、完全に不明。

(はい、ココが空港です!って、、無理だし、、Uターンキツかったし、、)
ふぅー、これはパニックだね。正にパニック。。冷静になろう。。いや、なれない。。

とりあえずナビを確認する。確かにココクアラルンプール空港となっているが、、ココは果樹園の真ん中だ。見りゃ分かる。。飛行機なんて何処にもない!!もう一度、一からナビ入力、、あれ?下にKLIA2と別の空港が出てくるじゃないか、、これだよ!B!これ、、こっちに決まってんだろ!!おい、B!!馬鹿か、、お前!!何しとんねん?!

ナビ曰く、1時間20分、、あ〜ぁ、、レンタカー返却には、完全に間に合わないし、、これで渋滞だったら、、飛行機にも乗り遅れてしまうじゃないか、、えーっと飛行機は何時だ?カバンはトランクに入れちまったし、、そんなの確認するより、1分でも大事だ、、まず、、走るしかない、、
そう、残された道は、、ただ一つ、、パトカーに止められるまで最速で走るしかないのだ!!
ちょっと前まで、のんびりお気楽で、少し感傷的な気持ちだった旅の帰り道、、最早、そんな状態ではなく、私は皇帝ミハエル・シューマッハだ!!
一般道だろうが、、マレーシアルールを良い事に追い抜きまくり、、高速では160km以下には絶対できない、、50分で着くには逆算するとそれでも怪しいのだから、、兎に角、独り言を言いながら、姿勢を正し、目を見ひらき、突っ走る!赤いオンボロ、マレーシア車は、凄いエンジン音をさせながら、頑張るしかないのだ。。

(何故か空いてたねぇ、、何でだろうねぇ、、)
運よくもガラガラの高速道路で、、まぁ100台は抜いただろうか、、11時45分目的地まで、あと25km。。いける、、いけるよ、、これはいける!!ぶっ飛ばすぜ!!

あと20km地点で、ちょっと心に余裕が生まれたからか、インパネの各種表示器に目がいった、、

ん????なんだ、こりゃ!?!?えっ?そんな、バカな、、ピ、ピ、、ピーンチ!!

昨夜入れたはずのガソリンが、、エンプティーを振り切っているじゃないか!?オンボロ、マレーシア車にはランプもなければ、警告音もなかったのだ、、慌てて速度を落とす、、性能が悪いエンジンだと、無茶な速度を出すと、そりゃ凄いガソリンを必要とするのか、、ガソリンが無くなりエンストしたら、、最早、、この全ての努力も水の泡、、リザーブタンクはあるのだろうか?既にリザーブタンクなのだろうか?!知る由もない。
しかし次のガソリンスタンドは空港手前なのであと18km、、冷静になりたいが、、冷静も糞もない、、答えは簡単、、なるべくガソリンを使わず、多少遅れても、ガソリンスタンドまで辿り着く、、それだけだ。。この知らない土地の高速上では、何の策もあるわけないのだ、、

忘れよう。この危機を忘れて、、普通に、歌でも歌いながら、運転するしかない、、『テレッテッテレー♪テレッテレ♫テレッテッテレッテ♫』何故だ、、スーパーマリオの時間切れ間近の、早いテンポの音楽を歌ってしまう、、あ〜〜ぁ、、助けてくれ〜ぇ〜、、さっきまで頭の中のBGMは『ミッションインポッシブル』だったのに、、
落ち着けぇ、、兎に角、落ち着くんだ、、人生色々あったが、何とかなった、、いや、何ともならない時もあった、、いや、、大きな意味では何とかなっただろ?!という事は、、乗り遅れても、別の便で帰れば良いという事か?!そうなのか?!などと、意味の解らない自問自答を繰り返す、、

そう、赤いオンボロ、マレーシア車は、頑張ってくれた。。11時53分。ガソリンスタンドが見えたのだ、、

無事給油を終え、、空港駐車場へ到着12時2分。。
WE DID IT!!
(私と赤いオンボロ、マレーシア車)

随分、急いだねぇ、、10年は確実に寿命が縮まっただろうか、、だが、まだ、、レンタカーを返して、、飛行機のチェックインをしなければいけない、、今度は兎に角、走る。小太りおじさん、兎に角、走る。。12時10分はマレーシアでは問題無し!レンタカー返却完了!次は、チェックインカウンターへ走る、、未だ、飛行機のフライト時間を確かめる余裕は無いのだ、、汗だくで焦りながら、カウンターの係員に書類を出す。あれ?飛行機、午後2時?!何で焦ったんだ?!全然余裕ではないか、、何だか急に、、肩の力が抜けた、、

しかし、荷物を預けようとすると、何故か私の席が無いらしく、、係員がアタフタしている、、隣で見ていた係員が何か横槍を入れると、今度は急にニコニコしながら、すんなり手続きを終え『なんとかシートでのフライトをお楽しみ下さい!』とチケットをくれた。『ん?何か良い席なのか?』と聞くと『はい。良い席です。』『ふ〜ん、ありがとう。』何だか解らんが、、ちょっと席を良くしてくれたのかなぁ、、などと思いつつ、時間もあるのでダイナースカードラウンジに向かう。

今日起きた我が人生の危機を振り返りながら、、ラウンジビールしこたま飲み、通関がもう一つあるのを忘れて、、今度は飛行機に乗り遅れそうになりながら、ギリギリ搭乗。。

ん?ビジネスクラスじゃん!?アッ!!そういう事?!
なんとかシートって、、フラットシートね、、ハイハイ、、

(随分、汚い、ベトベトの人がビジネスクラスにいますが、、安いから問題ないね、、)
やっと思い出したのだが、数日前に、帰りの便をオークション形式アップデートしませんか?というメールが来ていて、666リンギットから入札できるというから、最低額666リンギットで入札してみていたのだ、、元々往復4万円のチケットで、、666リンギットということは1万8000円位だから、、片道分ではあるが、、えーーーっ、安っすぅ。。という訳で、ビジネスクラスノビノビ帰国したのだった。。

毎度そうだが、、珍道中っうのか、、ただハードっうのか、、
『昆虫写真撮影海外遠征旅』は、、こういうモノなのだ、、

良かったら、君も行かないか?(藤岡弘さん風)

(完)

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